[ワシントン 3日 ロイター] – 米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は3日、米中通商協議は進展しているとの認識を示し、両国とも週内に合意に近づくことを期待していると述べた。
同委員長はクリスチャン・サイエンス・モニター(CSM)主催のイベントで記者団に対し、米中が前週に北京で行った協議で「かなりの進展」が見られたと表明。中国が知的財産権保護、強制的な技術移転、ハッキング行為に関して初めて認めたことを明らかにした。
カドロー氏は「こうした問題について中国が初めて認めた。彼らは(これまで)否定していた」と強調。さらに「エンフォースメント(ルールの実効性担保)を含め、これまで決して触れられなかった問題を取り扱っている」とし、中国は知的財産権の窃取や強制的な技術移転、サイバー攻撃、コモディティーの関税・非関税障壁に関与しているとの考えを繰り返した。
その上で「すべてにおいてかなり進展しているが、まだ(合意には)至っていない。今週(合意に)近づくことを期待している」と述べた。今週は中国の交渉団がワシントンを3日間の日程で訪問しているが、協議が延長される可能性にも含みを残した。
一方、これまでの協議では中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を巡る問題はほぼ取り上げられていないと明らかにした。また自動車関税についてはまだ何も決定されていないとした。英国の欧州連合(EU)離脱が「クリーン」なものになれば、米英は通商協議開始を2年待つ必要はなくなるとの認識も示した。
トランプ米大統領が移民問題を巡りメキシコとの国境閉鎖も辞さない構えを示している問題では、貿易と安全保障はともに必要不可欠とした上で、国境閉鎖に伴う景気への影響について政権が緩和策の検討を進めていると説明した。
ベネズエラの問題については、政府として金融や食料分野を含めた支援策を検討しており、同国の金融機関とも協力していると明らかにした。
政権が掲げる「エネルギー支配」政策に関しては、大統領が天然ガスなど化石燃料のパイプライン建設や輸出を促進するための大統領令に近く署名する見通しとした。