第19回統一地方選の前半戦となる11道府県知事選、6政令市長選、41道府県議選、17政令市議選は7日、投開票された。「大阪都構想」の是非を争点に地域政党「大阪維新の会」と自民党など「反維新」陣営が激突した府知事・大阪市長ダブル選は、いずれも維新公認候補が自民推薦候補を破った。与野党全面対決の北海道は、自民、公明両党推薦の新人が、野党系候補を破り初当選。一方、自民支持層の分裂選挙となった島根と福岡では、党本部推薦の候補が敗北を喫した。
各党は「亥(い)年選挙」で12年に1度重なる夏の参院選の前哨戦と位置付け、選挙戦を展開。大阪での敗北や、複数の知事選が保守分裂選挙となったことで、安倍政権は衆院2補選(9日告示、21日投開票)や参院選に不安を残した。北海道知事選で自公に大敗した野党陣営は、参院選での共闘態勢構築が課題となる。
大阪ダブル選は、知事選で前大阪市長の吉村洋文氏(43)、市長選で前知事の松井一郎氏(55)が初当選。北海道は、前夕張市長の鈴木直道氏(38)が、立憲民主など野党5党が推薦する元衆院議員の石川知裕氏(45)を抑えた。鈴木氏は、現職知事で最年少となる。
保守分裂となった4県知事選のうち、福岡は現職の小川洋氏(69)が党本部推薦の新人を破り3選。島根は自民県議らが支援する新人で元総務省消防庁室長の丸山達也氏(49)が、党本部推薦の新人との接戦を制した。
福井は党本部推薦の新人で元副知事の杉本達治氏(56)が現職を破り初当選、徳島も県連推薦の現職飯泉嘉門氏(58)が元県議らを抑え、5選を果たした。
政令市長選は、保守分裂となった相模原市長選で、野党系の新人で元衆院議員の本村賢太郎氏(48)が現職らを破り、初当選を決めた。
このほかの知事選では、神奈川、三重、奈良、鳥取、大分で、政令市長選は札幌、静岡、浜松、広島で、それぞれ現職が当選した。
道府県議選は、自民が総定数(2277)の過半数の議席を維持できるかが焦点。8日午前3時30分現在、2194議席が確定し、自民は1122議席を確保した。