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新しい日本銀行券のイメージ=2019年4月9日午前9時17分、東京・霞が関、鬼室黎撮影

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新しい日本銀行券について説明する麻生太郎財務相=2019年4月9日午前9時29分、東京・霞が関、鬼室黎撮影

 麻生太郎財務相は9日午前、2024年度上期をめどに1万円札と5千円札、千円札の紙幣を刷新すると発表した。新しいお札の顔は1万円札が渋沢栄一、5千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎となり、明治維新以降の日本の実業や女子教育、医学研究を切り開いた人物が選ばれた。

 紙幣を一新するのは2004年以来、約20年ぶりとなる。麻生氏は理由について、偽造防止の観点からこれまでも約20年ごとに変えてきたと説明。今月1日の新元号発表と続いたことについては「たまたま重なった」と説明した。

 人物の肖像が刷られる表面に対して、裏面も一新される。1万円札は東京駅の丸の内駅舎、5千円札は藤の花、千円札は富嶽(ふがく)三十六景の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」が採用される。

 1万円札に選ばれた渋沢栄一について、麻生氏は「日本資本主義の父」と表現、「この方の功績は大きかった」と語った。一方、2千円札の刷新を見送ったことについては、「流通枚数が少ない」ためとした。

 また、500円硬貨についても素材などを変えた新硬貨が21年上期をめどに発行されることが発表された。これまでのニッケル黄銅に、新たに白銅と銅も混ぜて新技術の「バイカラー・クラッド(二色三層構造)」を用いるなどの変更を加えている。

 財務省は、新紙幣・硬貨が発行された後も現行のお金は引き続き使えるとして、「現行の日本銀行券が使えなくなる」などとかたる詐欺に注意するよう呼びかけている。