[ニューヨーク 16日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、欧州中央銀行(ECB)の複数の政策当局者がECBの経済見通しは楽観的過ぎると考えていると伝わったことを受け、ユーロが対ドルで下落した。 

ECB内の討議を直接知る4人の関係筋によると、前週のECB理事会では、少数の理事が今年後半に成長が回復するという以前からの予想に疑問を呈した。このほか、下方修正を繰り返しているECBの予測モデルの正確性を疑問視する声も一部から上がったという。 

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)のグローバル外為戦略部門責任者、ウィン・シン氏は「またもやハト派的な材料が出てきた」とし、これによりユーロの上昇が阻まれたとの見方を示した。   

市場では、ユーロ圏経済の成長が改善しているか見極めようと18日に発表される欧州の製造業と非製造業の製造業購買担当者景気指数(PMI)が注目されている。 

豪ドルはほぼ横ばい。オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が公表した4月理事会の議事要旨で、インフレ率が低水準にとどまり失業率が上昇し続けた場合には利下げが「適切に」なるとの見方が示された。これを受け、豪ドルは当初は軟化していた。 

英ポンドは下落。英ガーディアン紙が欧州連合(EU)離脱を巡るメイ政権と野党・労働党の協議が行き詰っていると報じたことを受け軟調となった。ただ労働党は報道内容を否定している。 

市場は17日発表の中国の国内総生産(GDP)統計に注目。前週発表の中国の3月の貿易統計ではドル建て輸出が前年同月比14.2%増と予想を上回り、経済情勢が安定化しつつあることが示された。 

ドル/円 
NY終値 111.99/112.02 
始値 111.90 
高値 112.03 
安値 111.88 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1280/1.1282 
始値 1.1299 
高値 1.1312 
安値 1.1281