【ソウル時事】半導体関連製品大手、フェローテックホールディングスは16日、韓国連結子会社、フェローテック・アドバンスト・マテリアルズ・コリア(FTAK)が半導体製造装置の部品などに使われるCVD-SiC(炭化ケイ素)製品の開発・製造・販売事業から撤退することを取締役会で決定したと発表した。 

韓国子会社の事業撤退=「司法判断に懸念」-半導体関連のフェローテック

 FTAKをめぐっては、元従業員3人が今年2月、不正競争防止および営業機密保護に関する法律違反の罪で韓国検察当局に起訴された。フェローテックは「昨今の韓国における日系企業に対する司法判断などを鑑みた場合、司法判断の独立性が完全に担保されない懸念があり、潜在的なリスクを現段階で最小化することが最も適切と判断した」と説明した。

 韓国最高裁は昨年10月以降、元徴用工らの訴訟で日本企業に賠償を命じる判決を下し、日韓関係が悪化しており、進出企業の事業継続に影響を与えた形だ。事業撤退により4億~6億円の損失が見込まれるという。ただ、「FTAKで他の事業を行うことを検討している」としている。