トランプ大統領が対中政策の「援護射撃」として米金融当局に利下げをあらためて求めました。金融市場も年内の利下げを予想しており、金融当局はホワイトハウスと市場の両方から圧力を受けています。しかし、当局者からは利下げに否定的な発言が相次ぎました。実体経済とマーケット動向を巻き込みながら、利下げを巡る思惑は今後も続きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
「同等の措置」を
トランプ大統領はツイッターに「中国は国内のシステムにマネーを供給し、恐らく金利を引き下げるだろう」と投稿。「米金融当局がそれと『同等の措置』を講じれば、ゲームオーバーだ。われわれが勝利する!いずれにせよ、中国は取引を望んでいる!」と続けた。米金融市場では向こう1年以内の利下げが予想されているが、当局には動く気配がみられず、政治圧力に屈しないと言明している。
行き着く先はリセッション
カンザスシティー連銀のジョージ総裁は、インフレ率を目標の2%に押し上げることを目的にした金利引き下げには賛同できないとの考えを示した。「利下げは資産価格バブルを助長し、金融のバランスを崩す恐れがあり、その行き着く先はリセッションだ」と警告。「失業率が長期予想水準を大きく下回る現在の環境において、インフレが長期の目標水準を多少下回ることを懸念する理由はほとんどない」と説明した。
混乱に動じず
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは米中の通商合意を非常に楽観しているため、中国株を最近買い増しした。「これまでに発表された全ての関税を考慮すべき事象として扱うが、最終的に世界の経済成長を揺るがすものとは考えていない」と主張。今月は市場が混乱したものの、同行の資産運用部門は中国オンショア株のロングポジションを再開した。
パイプライン操業停止
サウジアラビアが国境を越えて運用する主要パイプラインの操業を停止した。併設されているポンプステーション(圧送施設)がドローン(無人機)に攻撃されたためという。隣国イエメンを拠点とするイスラム教シーア派武装組織のフーシ派が攻撃を認めた。フーシ派はイランの支援を受けている。商品市場では今回の攻撃を受けて原油価格が上昇した。
人民元ショート解消
長年にわたる中国弱気派のカイル・バス氏は、米中の貿易戦争が激化しつつある中、「中国の通貨にもはや利害はない」と発言。4年近く保有してきたオフショア人民元の下落を見込んだポジションを手じまったことを明らかにした。同氏が創業したヘイマン・キャピタル・マネジメントは2015年にショートポジションを開始、直近では3月時点でも同ポジションを保有していた。
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