• イタリアは「債務基準順守に向け十分な進展」がない-欧州委員会
  • 来週にも財政赤字是正手続き着手を最終判断、発動なら制裁金も

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、イタリア政府に対して財政規律違反を巡る「過剰財政赤字是正手続き(EDP)」の最初のステップに着手することを確認し、来週の最終判断を前に同国政府に債務抑制に失敗した事情を説明するよう求めた。

  欧州委は29日、トリア財務相宛てに書簡を送付した。金融安定担当のドムブロフスキス副委員長と経済・財務・税制担当のモスコビシ委員は同書簡で、イタリアはEU財政規律に基づく「債務基準の順守に向け十分な進展」を果たしていないと記述。両委員は政府に対して、この状況を説明するあらゆる要因を5月31日までに報告するよう求めた。ブルームバーグが書簡を閲覧した。

  欧州委はイタリアに対するEDP開始の勧告を検討している。EDPが発動されると、同国は35億ユーロ(約4260億円)の制裁金を科される可能性がある。欧州委がEDPに踏み切る場合、EUの定期財政監視報告書で明らかにするとみられる。同報告書は6月5日に公表される可能性が高い。

  内部規則に従い匿名を条件に語ったイタリア財務省の広報官は、トリア財務相が欧州委から「想定通りの」書簡を受け取ったと確認。「返答の用意はできている」としつつ、返答時期についてはコメントを避けた。

原題:EU Says Italy Risks Penalties on Debt, Seeks Explanations (1)(抜粋)