[ニューヨーク 5日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが小幅高。朝方は米ADP民間雇用者数が予想を下回ったことを受けてドル売りが先行し、対円で半年ぶり安値を付ける場面もあった。しかし、ISM非製造業総合指数(NMI)が2月以来の高水準になったことを手掛かりに、午後に入り、買い戻しが入った。 

終盤の取引で、主要6通貨バスケットに対するドル指数.DXYは0.28%高の97.342。 ドル/円JPY=も0.26%高の108.42円。 

オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した5月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が2万7000人増と市場予想の18万人増を大幅に下回った。2010年3月以来9年2カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。 

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の非製造業総合指数(NMI)は56.9と、前月比1.4ポイント上昇し、市場予想の55.5を上回った。 

ドルは前日、軟調に推移。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、世界的な貿易戦争などに起因するリスクに「適切に」対応すると述べたことを受け、市場で利下げ観測が強まったことが背景。 

ステートストリートのシニアグローバルマーケッツストラテジスト、マービン・ロー氏は「指標は昨年ほど堅調でないにしても、なおトレンドを上回っている」とし、「FRBが利下げに積極的とは思わない」と述べた。 

米労働省が7日発表する5月米雇用統計が注目される。アナリストは、雇用者数の伸びが鈍化すると予想する。 

ユーロ/ドルEUR=は0.25%安の1.122ドル。欧州中央銀行(ECB)は6日、理事会を開催する。市場では、当局者がどの程度経済減速の兆候を懸念しているか見極めようとしている。 

アナリストの間からは米利下げ観測が出ているものの、景気後退懸念が世界的に広がりオーストラリアやニュージーランド一部中銀が利下げに動く中、世界の成長鈍化は最終的にドル押し上げにつながるとの指摘も聞かれた。 

ドル/円 
NY終値 108.45/108.48 
始値 108.29 
高値 108.48 
安値 107.82 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1219/1.1223 
始値 1.1260 
高値 1.1306 
安値 1.1220