[ニューヨーク 6日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが下落。7日の米雇用統計発表を前に警戒感が広がった。5月の雇用統計は非農業部門の雇用者数の伸びが18万5000人と予想されている。前日発表された5月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が2万7000人増と市場予想の18万人増を大幅に割り込んだ。
モルガン・スタンレーのアナリストは「ADPが予想外に下振れしたことで雇用統計も同様に予想を下回る可能性がある」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.3%安の97.030。
一方、ユーロ/ドルEUR=は値上がりし、0.49%高の1.127ドル。欧州中央銀行(ECB)の姿勢が予想ほどハト派的でなかったことから買い戻しが入った。ECBはこの日理事会を開き、少なくとも来年半ばまで金利を据え置く方針を表明。ドラギ総裁は貿易摩擦やブレグジット(英国の欧州連合離脱)といったリスク要因が存在するとした上で、利下げや追加資産購入の可能性も視野に状況を見守る考えを示した。
シリコンバレー銀のシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏は、ECBが前向きに対応しているのとは対照的に、米連邦準備理事会(FRB)は出遅れが目立つと指摘。「市場は米利下げを半年も前に織り込み始めていた」と述べた。
金融市場先物が織り込むECBの利下げ確率は、年内の0.10%利下げが45%。ECBの声明発表前は75%だった。
ドル/円
NY終値 108.40/108.43
始値 108.17
高値 108.56
安値 108.03
ユーロ/ドル
NY終値 1.1274/1.1278
始値 1.1232
高値 1.1308
安値 1.1216