ルノーのジャンドミニク・スナール会長はパリでの株主総会で、日産自動車との関係改善の意思を表明し、揺らいでいる両社間の信頼を修復することは可能だとの認識を示した。先日決裂したフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との統合協議が将来的に再開される可能性については否定しなかった。

  スナール会長は12日、「強いアライアンスの回復が優先事項だ」と発言。時間と忍耐に加え、双方の努力が必要だとし、「信頼が築かれるべきだ」と語った。

Nissan, Renault and Mitsubishi Motors Heads Hold News Conference as Ghosn Seeks to Regain Clout
スナール会長Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  前任者のカルロス・ゴーン被告の逮捕・起訴を受け、1月に会長に就任したスナール氏にとって今回は初めての株主総会となった。日産との関係修復に向け、ルノーの最大株主であるフランス政府に後押しされて就任したスナール氏だったが、実際には反対方向に向かった。日産に経営統合を持ち出したものの拒否され、関係が一段と揺らぎ、その後はフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から提示された統合案を協議したが、FCAがそれを撤回した。

  スナール会長はFCAとの協議が不首尾に終わったことについて「失望している」とし、その責任は仏政府にあると発言。統合計画がこの先復活するかは「分からない」としながらも、協議が再開される可能性は否定しなかった。

  同会長は、ゴーン被告の逮捕・起訴からの悪影響は「当初考えられたよりもアライアンスへのダメージが大きかった」と発言。アライアンスは「新たな始まりを迎えつつあり、それは支持される必要がある」と述べた。

原題:Renault Chairman Pledges to Restore Damaged Nissan Alliance (2)(抜粋)