ホワイトハウスは2月に、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を降格させることの適法性を模索していたと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この少し前には、トランプ大統領がパウエル氏解任を検討していると報じられていた

  関係者によると、ホワイトハウスの法律顧問の事務所では、パウエル氏から議長職を剥奪しFRB理事のみにとどめることの法的意味合いを検討した。実際に降格となれば前例のない動きとなる。FRB議長交代の場合、後任はトランプ大統領が指名し、上院が承認する必要がある。

  トランプ氏のチームは法的分析を行い結論に至ったが、その結論は内密にされているという。関係者は内部での議論だったとして、匿名を条件に話した。トランプ大統領が適法性の検討を指示したかどうかは不明で、関係者も分析の結果は明らかにしなかった。

  匿名を希望したホワイトハウス関係者の1人は、何カ月も前にあったとされる話し合いについてはコメントしないと述べた。ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は、パウエル氏の降格は現在検討していないと話した。

  FRBの広報担当、ミシェル・スミス氏は電子メールで 「法律の下、FRB議長は正当な理由がある場合のみ解任が可能だ」と述べた。

原題:White House Explored Legality of Demoting Fed Chairman Powell(抜粋)