[ワシントン/サンフランシスコ 21日 ロイター] – 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁とセントルイス地区連銀のブラード総裁は21日、インフレ低迷に懸念を表明し、連邦準備理事会(FRB)は直ちに対応する必要があるとの考えを示した。 

FRBは18─19日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定すると同時に、不確実性の増大などに対応するため年内に最大0.5%ポイントの利下げが実施される可能性があることも示唆した。 

こうした中、カシュカリ総裁はこの日に発表したエッセーでFRBは政策金利を0.5%ポイント引き下げる必要があるとの考えを表明。「インフレ期待をFRBの目標である2%に再び安定化させ、力強い雇用の伸び、賃金の伸びの加速、持続的な景気拡大を支援するために、連邦公開市場委員会(FOMC)は力強い措置を打ち出す必要があると考えている」とし、「FOMCが政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、コアインフレが持続的にFRBの目標を達成するまで利上げは実施しないというコミットメントを示すことが、こうしたことの達成に向けた最善の方法だ」とした。 

カシュカリ総裁は今年のFOMCで投票権を持っていないが、金利据え置きが決定された今週のFOMCでは50bpの利下げを提唱したことを明らかにした。

これほかブラード総裁は、今週のFOMCで利下げを主張し政策決定に反対票を投じたことについて、低インフレと経済成長見通しを巡る不透明感により利下げが正当化されると感じたと表明。声明で「インフレ指標は昨年末以降、大幅に低下しており、現在FOMCのインフレ目標である2%を約40─50ベーシスポイント(bp)下回っている」とし、インフレ期待も低迷しているため「今回FF金利の誘導目標レンジを引き下げることが、予想インフレ率の一段の低下と、高い下振れ圧力に見舞われて減速する経済に対する保険になると考えた」と述べた。 

この日はFOMCの前後にFRB当局者が金融政策に関する発言を行うことを禁じる「ブラックアウト」期間明けに当たり、早くも2人の連銀総裁から踏み込んだ発言が相次いだ。 

クラリダFRB副議長もこの日、FRBは米景気拡大は継続すると予想しているとしながらも、貿易などを巡る不確実性が増大し見通しに対するリスクが台頭すれば利下げを実施する用意があるとの見解を表明した。