太陽系外から飛来したことが初めて確認され、小惑星や彗星(すいせい)にはない奇妙な形や軌道などから「異星人のUFO説」が話題になった小天体「オウムアムア」について、米ハワイ大などの国際研究チームは「これまでの観測から、異星人によるものとする説得力のある証拠は見つからなかった」と結論付けた。論文は2日、英科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載される。
オウムアムアは2017年10月、ハワイ大のパンスターズ望遠鏡で発見。ハッブル宇宙望遠鏡などで集中的に観測され、太陽系外から来た小天体と初めて認定された。
観測の結果、細長い葉巻のような形(長さ約400メートル)で、太陽に異常な高速で接近した後、軌道を鋭角に変えて遠ざかったことなどが判明した。
研究チームは、オウムアムアの色や成分が太陽系内の小惑星と似ていることや、シミュレーション結果などから太陽系以外の惑星系からはじき出された小天体が飛来する確率が高いことなどを挙げ、UFO説を否定。米大学や研究機関が22年に本格稼働を予定している高性能の望遠鏡を使えば、年1個のペースで太陽系外からの飛来天体を観測できる可能性が高いとした。