[ニューヨーク 2日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、米中通商協議を巡る楽観的な見方が後退し、景気指標が弱かったことを受けドルが下落した。ドル指数は0.21%安の96.709と、前週に付けた3カ月ぶり安値(95.84)付近。ドル/円は0.5%安の107.88円。

通商協議が引き続き外為市場の主要材料で、投資家らは合意成立や関税撤廃まで時間がかかる可能性を認識しつつある。ラボバンク幹部は「(対中)交渉が決裂した5月の時点に戻ったと言って良い。好ましい地点とは言いがたい」と話した。

米通商代表部(USTR)は、欧州連合(EU)による欧州の航空機大手エアバスへの補助金を巡り報復関税を課す可能性のある40億ドル相当の追加品目リストを公表した。弱い製造業指標が世界景気への逆風を示し、リスク資産全体の勢いがそがれた。JPモルガンがまとめた世界製造業指標が約7年ぶりの低水準となった。

欧州中央銀行(ECB)が7月の会合で利下げを急がないと一部で伝えられ、ユーロを一時押し上げた。直近でドルに対して横ばいの1.1290ドル。豪ドルは対米ドルで0.3%高の0.6986米ドル。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の1%とすることを決定。「必要なら」追加利下げを行うと表明した。アナリストらは追加利下げの公算が小さくなったと指摘した。

ドル/円 
    NY終値 107.88/107.91
始値 108.25
高値 108.29
安値 107.77
ユーロ/ドル 
    NY終値 1.1283/1.1287
始値 1.1297
高値 1.1311
安値 1.1283