[ブリュッセル 3日 ロイター] – 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は3日、イタリアに対する過剰財政赤字是正手続き(EDP)発動の勧告を見送る姿勢を示した。 

イタリア政府は1日、2019年の財政赤字目標を引き下げると発表。これを受け、欧州委はイタリアは前年の構造的な不均衡の悪化を一部相殺するための追加的な措置を取ったとし、19年はEUの財政協定である安定・成長協定をおおむね順守できるとの見方を示した。 

欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務担当)は記者会見で、欧州委はイタリアの公的財政を巡るすべての情報を勘案した上で最終的な判断を行うと表明。「イタリアは必要なことを行い、将来的にも行うと期待している」と述べた。 

欧州委は20年予算案についてもEU財政規律を順守した上で編成するよう要請。イタリア政府は20年予算案を10月15日までに欧州委に提出する必要がある。 

イタリアのトリア経済・財務相は「イタリアにとって素晴らしい日」として欧州委の動きを歓迎した上で、勧告見送りに市場も好感しており、政府の努力は何倍も報われたと語った。またコンテ首相は「わが国の真剣さや責任が認められた。イタリアは偉大で信頼ある国であることが今日改めて裏付けられた」とした。 

イタリア政府は1日、19年の赤字額が従来予想よりも70億ユーロ程度少なくなるとの見方を示した。