7日、香港・九竜地区の中国人観光客の多い地域で行われた、逃亡犯条例改正に反対する大規模デモ

 【香港時事】香港で身柄を拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする逃亡犯条例改正案の「完全撤回」を訴える反対派は7日午後、香港中心部の中国人観光客が多い地区で、大規模デモを実施した。デモ終了後、一部の参加者は、付近の幹線道路を占拠するなどして抗議行動を続行。香港メディアによると、繁華街の旺角(モンコック)で武装した警官隊と衝突し、負傷者が出た。

<香港・逃亡犯条例改正問題>

 改正案をめぐる一連の動きは中国本土では報道されないため、デモは旅行者を通じて香港の現状を知らせる狙いがある。

7日、香港・九竜地区の中国人観光客の多い地域で行われた、逃亡犯条例改正に反対するデモ

 デモはインターネット上の掲示板などを通じて呼び掛けられ、参加者は主催者発表で23万人(警察発表で5万6000人)だった。「香港加油(頑張れ)」と口々に叫びながら、九竜地区の繁華街・尖沙咀(チムサアチョイ)から、香港と中国本土を結ぶ高速鉄道が発着する西九竜駅を目指して行進した。

 友人と参加した女性会社員(27)は「政府本部周辺だけでデモをしても、訴え掛ける対象が限られる。沿道の中国人観光客にも行進を見てもらい、撮った写真を拡散してほしい」と話した。

7日、香港で逃亡犯条例改正案の完全撤回や警察に対する責任追及などを求めて行われたデモ

 警察は、観光客との衝突や駅周辺での混乱を防ぐため、約2000人を展開させた。西九竜駅では、ほとんどの出入り口を終日封鎖するなどして、駅構内にデモ隊が流入しないよう備えた。