今朝のニュースで凄いと思ったのはこれ。「ゲームの世界大会、優勝の16歳に過去最高の3.3億円」(朝日新聞デジタル)。ニューヨークで開かれたeスポーツの世界大会で、ペンシルベニア州の16歳のカイル・ギアスドルフ君が優勝、賞金300万ドル(約3億3千万円)を手にしたという記事だ。朝日新聞デジタルによるとeスポーツとしては過去最高の賞金額だそうだ。16歳のカイル君は一夜にして億万長者になったわけだ。それはそれで凄いことだと思う。eスポーツにも高額賞金にも反対というわけではない。だがNHKによると「子供貧困対策に関する有識者会議」は昨日、大綱見直し向けた提言案をまとめたとある。世界中で子供の貧困化が進む一方で、16歳の少年が一人で3億円強の賞金を獲得する。この落差、驚くしかない。

以下、朝日新聞デジタルの記事を引用する。「会場はテニスの全米オープンも開かれるアーサー・アッシュ・スタジアム。映画『ハリー・ポッター』に出演していた俳優らも参加し、会場を盛り上げた。優勝賞金は同大会で男女シングルスの勝者が得る385万ドルに迫るものとなり、eスポーツの盛況ぶりが改めて示された」。なるほど、そういうものか。IT社会の進化に連れてeスポーツはこれからますます盛んになっていくだろう。キーボードを操作しながらデジタルの世界で対戦相手と勝ち負けを争う。ゲームの世界は短期間にここまで進化した。そのスピードの速さ、これにはもう驚くしかない。これをスポーツと呼んでいいのか少し気になるが、それは古い世代の感覚。若者の間ではそんなことは誰も気にしないだろう。

その裏で子供の貧困化も進んでいる。政府は平成26年に「子供の貧困対策に関する大綱」をまとめている。5年ごとに見直すことになっているが、今年がその年に当たっている。有識者会議の結論はまだ見ていないがNHKによると、子どもの貧困の実態をより詳しく把握するために①食料や衣服に困った経験のある世帯の割合②電気やガスなどの公共料金を滞納した経験のある世帯の割合ーなど、生活に即した指標を新たに加えて子供の貧困率を分析し、対策を検討することになるようだ。それも大事だと思う。そしてもっと大事なのは子供が貧困状態に陥ることがないような経済をどうやったら作り出せるかだ、と思う。eスポーツの活況の裏で引きこもる子供も増えている。市場経済にはプラスの要素とマイナスの要素が同居している。いい面があると同時に、悪い面もいっぱいある。プラスの面だけを強調しない方がいい。