• 米雇用統計や米中通商協議にも市場の注目集まる
  • 日銀とブラジル中銀の会合、米欧の製造業指標も焦点に
日銀の黒田総裁
日銀の黒田総裁 Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

投資家や政策当局者は今後数日間に夏休みを取るチャンスはないだろう。今週は世界経済にとって今年最も忙しい週になる可能性があり、それに備えなければならないためだ。

今週のハイライトは7月31日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定だ。市場とエコノミストは米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長ら金融当局者が約10年半ぶりに利下げに踏み切るとの見方でほぼ一致している。

0.5ポイントの利下げを予想するFRBウォッチャーもいるが、米金融当局は大幅な利下げを避けて0.25ポイント利下げを決定すると示唆されている。当局は過去最長の米景気拡大を維持し、インフレを促進するために、今後さらに行動する可能性を残す公算が大きい。

Vice Premier Liu He Leads Chinese Trade Delegation In Washington
ライトハイザー代表(左)とムニューシン長官Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

7月29日には米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とムニューシン米財務長官が中国に向けて出発する。5月に米中協議が頓挫して以降、ハイレベルでの対面交渉は初めて

8月2日発表の7月の米雇用統計では、FOMCの動きが必要だったかどうかが明らかになるだろう。ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、非農業部門の雇用者数は16万6000人増と、6月の22万4000人増から伸びが鈍化すると見込まれている。

このほか、日本銀行が低金利へのコミットメントを強化するよう求められる中、7月29、30両日に金融政策決定会合を開催する。一方、ブラジル中央銀行は31日に利下げを発表する可能性がある。また、多くの産業が既にリセッション(景気後退)に見舞われているとの懸念の中、8月1日に米供給管理協会(ISM)製造業景況指数やユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)など世界各国・地域の製造業指標が発表される。

原題:The World Economy’s Biggest Week of 2019 as Fed Prepares Cut (1)(抜粋)