[21日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が21日公表した7月30━31日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、一段と積極的な利下げについて議論されていたことが判明した。同時に追加緩和が続くような印象を与えないことでも一致したという。
市場関係者のコメントは以下の通り。
<シュワブ・センター・フォー・ファイナンシャル・リサーチの債券ストラテジスト、コリン・マーティン氏> トランプ大統領の関税方針発表を踏まえると、議事要旨は「古いニュース」だ。追加利下げに向けた可能性は残されている。今週終盤にワイオミング州ジャクソンホール・次経済シンポジウムで予定されるパウエルFRB議長の講演の方が重要度が高い。パウエル議長が7月の利下げを引き続きサイクル半ばの調整とみなしているのか、利下げサイクルの開始と考えているどうかが示されるか興味深い。
利回りは急低下しているが、米経済は比較的堅調な状態にある。しかし、現在の最大のリスクは貿易を巡る不透明性だ。トランプ大統領の関税に関する発表を受け、FRBの見解が変化した可能性がある。
<ホライゾン・インベストメント・サービシズ(インディアナ州)の最高経営責任者(CEO)、チャック・カールソン氏> 貿易戦争が明日にも終結するなら、米連邦準備理事会(FRB)によるこの先の利下げはない可能性がある。(7月に)利下げを決めた主要な理由は貿易戦争だった。貿易戦争を巡る先行き不透明性が解消するまで利下げは継続されるだろう。
FRBは事前に決められた軌道の始まりではないとの見解を示した。これは事実だと思う。ただ、FRBが関税措置と貿易戦争に縛りつけられる状態が続けば、FRBは事前に決められた軌道に乗っていることになる。FRBは貿易戦争で経済が停滞する可能性があると恐れている。
<ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズ(ニューヨーク)の為替ストラテジスト、ブレンダン・マッケンナ氏> 連邦準備理事会(FRB)当局者の多くが7月利下げをミッドサイクル(景気循環半ば)での調整に過ぎず、長期的な緩和局面の開始ではないと捉えていたことが浮き彫りとなった。0.5%利下げも討議されたが、合理的な可能性はないように思われる。
FRBは以前よりも市場の動向に敏感になっており、変化が見受けられる。FRBは経済データよりも長短金利の逆転(逆イールド)や株式市場の急落、貿易摩擦の激化といった要因に反応している。