AI=人工知能を用いて機械が自動的に標的を認識して攻撃する「AI兵器」の規制について話し合う国際会議がスイスで行われています。会議ではこうした兵器の使用などをめぐる初めての国際ルールについてまもなく合意する見通しですが、法的な拘束力のある規制は盛り込まれず、AI兵器の開発や使用の歯止めにはならないという見方も出ています。

ジュネーブの国連ヨーロッパ本部で行われている国際会議には政府の代表や専門家が参加し、22日未明、これまで進められてきた議論の報告書がまとめられる予定です。

報告書は事実上、初めての国際ルールにあたるもので中には攻撃の判断は人間が責任を持って行うべきで機械が自動的に標的を選ぶ「AI兵器」による殺傷は認めないことや、開発、使用をめぐっては国際人道法を守ることなどが盛り込まれています。

一方で、報告書に法的な拘束力はなく、一部の国やNGOなどが求めてきた条約による禁止にも触れていません。

報告書では、来年から再来年にかけて再び会議を開き、規制をめぐる議論を進めていくとしていますが、AI兵器の開発を推進するアメリカやロシアなどの国と、規制すべきだとする国の意見の隔たりは大きなままです。

AI兵器の規制をめぐって初めての国際ルールがまとまることを評価する声がある一方で、法的な拘束力がなければAI兵器の開発や使用の歯止めにはならないという見方も出ています。