- ホワイト国からの除外は「粛々と実行」、外相が駐日韓国大使に抗議
- 野党幹部も韓国批判、「北朝鮮や中国が喜ぶだけだ」と国民・玉木氏
韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を表明したことを受け、日本政府は韓国政府に信頼関係の回復への対応を求める一方で、28日に施行する韓国への輸出規制厳格化措置については予定通り実行する方針を明らかにした。
外務省関係者によると、23日に韓国政府から文書で破棄の通告を受けた。11月23日午前零時に失効する。2016年に署名された日韓GSOMIAは3年で効力を失うことになった。
安倍晋三首相は23日午前、首相官邸で記者団に対し、日韓請求権協定に違反するなど、「国と国との信頼関係を損なう対応が残念ながら続いている」とした上で、韓国に対して同協定違反を解消し、「信頼関係を回復するために約束を守ってほしいという基本方針に変わりはない」との認識を示した。
岩屋毅防衛相も防衛省で会見し、韓国の対応について失望感を示した上で、「韓国に賢明な対応と再考を強く求める」と語った。会見の模様はNHKが報じた。
世耕弘成経産相は「日本の輸出管理上の行政手続き的な措置と全く次元の違う問題を関連付けた」と述べ、「全く受け入れられない表明であり、行為だ」と指摘。28日に施行されるホワイト国(輸出優遇対象国)からの韓国を除外する手続きを「粛々と実行していく」方針を明らかにした。テレビ朝日が会見の様子を伝えた。
韓国のGSOMIA破棄については、米国も「強い懸念と失望を表明する」との声明を発表。同省のデーブ・イーストバーン報道官は「他の分野での摩擦にかかわらず、相互防衛および安全保障関係の統合を存続させなければならないと強く確信する」とコメントした。
ただ、韓国の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は23日の記者会見で、軍事情報協定の問題について米国と頻繁にやりとりしたと述べ、日本との協定破棄が韓米関係を損なわないとの認識を示した。
河野太郎外相は22日夜、南官杓駐日韓国大使を外務省に呼んで直接抗議するとともに、「現下の地域の安全保障環境を完全に見誤った対応と言わざるを得ない」と述べた。
一方、立憲民主党の逢坂誠二政調会長は22日付の談話で「今回の決定で利益を得る国がどこなのかを考えても、極めて遺憾であると断ぜざるを得ない」と批判。国民民主党の玉木雄一郎代表は22日、ツイッターに投稿し、韓国の決定は「非常識な判断」で「北朝鮮や中国が喜ぶだけだ。弾道ミサイルの発射実験がさらに増えるだろう」と指摘した。