[ニューヨーク 26日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。米中が貿易摩擦解消に向け歩み寄りをみせたことが追い風となった。 

トランプ米大統領は主要7カ国(G7)首脳会議の合間に、中国から通商交渉再開に向けた申し入れがあったことを明らかにした上で、通商協議を再開する方針を表明、合意の実現に期待感を示した。 

中国の劉鶴副首相も中国・重慶で行った講演で「われわれは冷静な態度で協議と協力を通じて問題を解決する方針だ。貿易戦争の激化には断固として反対する」とし、「貿易戦争は中国のためにも、米国のためにも、世界の人々のためにもならない」と述べた。

トランプ大統領の発言はドルを支援。また、それまで売り込まれていた人民元も下げ幅を縮小した。 

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.43%上昇し、9798.061。 ドル/円JPY=は0.7%高の106.12円。オーバーナイト取引では2年半ぶりの安値となる104.44円を付けていた。 

オーバーナイト取引では、オンショア人民元CNY=CFXSは7.1525元と、2008年2月以来の安値を更新。オフショア人民元CNH=も過去最安値となる7.1858元を付けたが、その後は7.1681元に回復した。 

BNPパリバの北米為替戦略主任のダニエル・キャザイブ氏は「値動きの激しい展開となった。アジア時間に軟調な滑り出しとなっていたドルの動きは反転した」とし、主因はトランプ大統領の中国との貿易に関するコメントだったと述べた。 

さらに、市場には当面、通商問題を巡る根強い不透明感が漂う見通しとし、市場のボラティリィが継続すれば、ドル/円などが一段安になるとの見方を示した。 

ドル/円 
NY終値 106.12/106.15 
始値 105.81 
高値 106.39 
安値 105.81 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1100/1.1104 
始値 1.1118 
高値 1.1124 
安値 1.1095