[ワシントン 4日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は4日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、製造業部門が世界的な景気減速の影響を受け、米経済はここ数週間「控えめ」なペースで成長したとの認識を示した。このほか、消費動向が示す家計消費の強さはまちまちとなっているとの認識も示された。 

今月17─18日に連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか公表された今回の地区連銀経済報告では、米中の通商を巡る緊張の高まりが企業の重しになっているとの認識も示された。ただ、米経済が近くリセッション(景気後退)に陥る公算は小さいとみられていることも明らかになった。 

地区連銀経済報告は「関税を巡る懸念や通商政策を巡る先行き不透明性は払拭されていないものの、企業の大半は短期的な見通しに対し楽観的な見方を持っていた」とした。 

雇用の伸びはここ数週間「控えめ」だったようにみえるとし、前回の地区連銀報告の時期と同等だったと指摘。ただ製造業活動は前回報告の時期と比べると若干弱まったとした。 

通商政策の先行き不透明感によって投資が低迷する見通しなど、関税を巡る企業のさまざまな懸念を列挙。ニューイングランドの多くを含むボストン地区は「関税は引き続き、製造業者が価格設定する上で深刻ではないにせよ根強い問題となっている」とした。さらに貿易摩擦が農家にも問題になっていると指摘。「天候不良や一次産品価格の低迷、通商関連の先行き不透明感が圧迫要因」とした。 

米経済の主要な原動力である個人消費については、全般的に引き続き伸びていることが確認された。世界経済が減速する中でも米個人消費はここ数カ月間、好調さを維持している。ただ消費が見劣りする地区もあり、中西部と南部の州を含むセイントルイス地区は「小売業者や自動車ディーラーの報告によると消費活動が前回報告の時期と比べてまちまちな内容となっている」と指摘。ミネアポリス地区は個人消費が横ばいだったとしたほか、アトランタ地区は消費者ローンの伸びが減速したと報告した。 

今回の報告は8月23日までに入手された情報に基づきアトランタ地区連銀がまとめた。