遺伝子を自在に操作できる「ゲノム編集」の技術が使われた食品を流通させる際のルールについて、厚生労働省は近く通知を出し、来月1日から運用を始める見通しを示しました。遺伝子をどう改変したかなどの情報を国に届け出れば、「ゲノム編集食品」の販売が可能になる見込みです。

ゲノム編集の技術を使って遺伝子を操作することで、血圧を下げる成分を多く含むトマトや身の量の多いタイなど、新たな農水産物を作り出す研究開発が各地で進められています。

13日開かれた厚生労働省の専門家会議では、ゲノム編集食品を流通させる際のルールについて、遺伝子をどう改変したかや、アレルギーの原因物質や毒性がある物質が増えていないかなどの情報を、事前に届け出ることを食品を開発した企業などに求めるなどとした、これまでの検討結果が報告されました。

また、ほとんどのゲノム編集食品は、一部の遺伝子を切って働かなくさせるのみで、外から別の遺伝子を組み込んでいないため、従来の品種改良とリスクは変わらないとして、消費者団体などが義務づけるよう求めていた、毒性や発がん性などを調べる安全性の審査は必要ないとしています。

会議では、おおむね異論が出なかったことから、厚生労働省は、ルールを定めた通知を来週中にも出し、来月1日から運用を始める見通しを示しました。

ゲノム編集食品は、来月以降、国に事前に相談したうえで、届け出を行えば、販売が可能になる見込みです。