今朝、NHKニュースをみて驚いた。「トランプ政権が国内で販売される自動車の排ガス規制を緩和すると発表し、環境対策よりも産業の保護を重視する姿勢を改めて示しました。そのうえで、温暖化対策に積極的なカリフォルニア州が持つ独自の排ガス規制を決定する権限を剥奪することも明らかにし、州政府が反発しています」というのだ。NHKは「メーカーの負担を軽減するため、カリフォルニア州が持つ権限を剥奪し、自動車をより安く生産できるようにするとしています」と付け加えている。トランプ大統領の再選戦略はとうとうここまで来たか。唖然とすると同時に、米国民の反応が気になる。
NHKの解説。「カリフォルニア州が厳しい環境基準を採用してきたことで、電気自動車の開発が促されるなど技術革新が進むきっかけにもなってきましたが、トランプ大統領としては、再選がかかった大統領選挙を来年に控え、産業の保護を重視する姿勢を改めて示すことで、支持を掘り起こすねらいがあるとみられます」。そうなのだろう。環境より産業保護を有権者は求めている。だから有権者の期待に答える。トランプ大統領の思考回路は、これで支持率が上がると考えているのだろう。果たして本当にそうなのか。カリフォルニア州は圧倒的に民主党が優位な選挙区だ。おそらくニューサム知事以下カリフォルニアの住民は怒り心頭だろう。大統領選挙を考えても決して有利になるとは思えない。
それ以上に気になるニュースをCNN日本語版が流している。アジア諸国でデング熱が急激に広がり、死者は1000人を超え、病院は感染者で満員状態になっているというのだ。感染者は8月だけで、2018年の1年間の5倍に上り、今年に入ってこれまでに57人が死亡した。「気候変動によって温度や湿度が上昇した影響で、メスの蚊(ネッタイシマ蚊)が卵を産む理想的な環境が形成された」。これでデング熱が一気に広がったのである。パリ条約を脱退し、排ガス規制を緩和すれば米国の温暖化は今以上に加速するだろう。トランプ大統領よ、それでも自動車メーカーにすり寄って再選を目指すのか。自動車メーカーも喜ばないじはずだ。規制を緩和すれば電気自動車など技術開発も後退する。環境悪化に技術開発の後退、何とも嘆かわしい再選戦略だ。
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