シリア内戦

トルコによるシリア北部での軍事作戦を受けて、国連の安全保障理事会は、先週に続いて対応を協議し、ISの復活と市民の犠牲に深刻な懸念を表明しましたが、軍事作戦をめぐっては即時停止を求める欧米と、ロシアの立場が異なり、一致した行動を取れませんでした。

国連安保理は、トルコがシリア北部に軍を侵攻させてクルド人勢力に対する軍事作戦を続け、市民の犠牲も増えていることから、ドイツやフランスの要請を受けて16日、先週に続いて2度目の臨時会合を開きました。

会合のあと、議長を務める南アフリカのマジラ国連大使は、安保理の総意として「過激派組織IS=イスラミックステートが復活する危険性と市民生活が悪化する可能性を深く懸念する」との発表文を読み上げました。

一方、トルコによる軍事作戦をめぐっては、ヨーロッパ諸国が「国際人道法にのっとった行動を改めて求める」と述べたほか、前回の会合では軍事作戦の是非に言及しなかったアメリカも歩調を合わせ、「地域の平和と安全を脅かす行為を中止し直ちに停戦を宣言すべきだ」として即時停止を求めました。

これに対してシリアのアサド政権を支持するロシアのネベンジャ国連大使は、「作戦は適切な形で行われるべきだ」と述べて、トルコの軍事作戦がアサド政権主導の内戦終結に向けたプロセスにどう影響するのか見極める姿勢を鮮明にし、安保理は今回も一致した行動を取れませんでした。