トランプ大統領

トルコによるシリア北部での軍事作戦の中止を求めるため、アメリカのペンス副大統領とポンペイオ国務長官が日本時間の17日朝トルコに向かいます。一方、トランプ大統領は、現地の部隊を撤退させた自身の判断がトルコの軍事作戦につながったとの批判はあたらないと強調しました。

シリア北部では現地に展開していたアメリカ軍の部隊が撤退したことをきっかけに、トルコが侵攻し、クルド人勢力に対する軍事作戦を続けています。

これを受けて、アメリカのペンス副大統領とポンペイオ国務長官が16日夜、日本時間の17日朝、トルコに向けて出発します。

ペンス副大統領は17日にトルコの首都アンカラでエルドアン大統領と会談し、軍事作戦の中止を求めることにしています。

一方、トランプ大統領は16日、「私はトルコに許可を与えたつもりはない」と述べて、現地からアメリカ軍の部隊を撤退させた自身の判断がトルコの軍事作戦につながったという批判はあたらないと強調しました。

そのうえで「7000マイルも離れた自国の国境でもないところをアメリカの兵士が守る理由がない」などと持論を繰り返しました。

トランプ大統領としては現地からの部隊撤退が地域の不安定化につながったと国内外から批判の声が上がるなか、アメリカのための正しい判断だと強調し、来年の大統領選挙に向けて「アメリカ第1」の政策を実行していることをアピールしたいねらいもあるとみられます。

米下院 シリア北部からの撤退反対決議案を可決

一方、アメリカ議会下院では、野党・民主党に与党・共和党の議員も多数加わって、トランプ大統領が決めたシリア北部からのアメリカ軍撤退に反対する決議案が可決されました。

この決議案は、トランプ大統領が決めたシリア北部からのアメリカ軍撤退に反対するもので、アメリカ議会下院で、16日、賛成354、反対60の賛成多数で可決されました。

議会下院は、野党・民主党が多数派を占めていますが、与党・共和党からも造反議員が130人近く出て、トランプ大統領の決定を超党派で非難した形です。