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朝日新聞のインタビューに答える韓国の李洛淵首相=10月、ソウル、武田肇撮影

 天皇陛下の即位礼正殿(せいでん)の儀(22日)に合わせて訪日する韓国の李洛淵(イナギョン)首相(66)が、朝日新聞の単独取材に応じた。安倍晋三首相と24日に会談する予定で、文在寅(ムンジェイン)大統領からの親書を持参する可能性に言及した。文氏には元徴用工問題でこじれた日韓関係を打開したい強い意思があると述べ、今回の会談を年内の首脳会談につなげたい考えを示した。

 李氏は「大統領は当面の問題を今回すべて解決するのが難しくても、任期内に解決されるよう望んでいる。韓日関係をとても心配している」と強調した。

 韓国大法院(最高裁)が昨年10月に元徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じて以降、日韓関係は急激に悪化。7月に日本が対韓輸出規制強化を始めるなど、悪影響が貿易や安全保障分野にまで拡大している。ここから続き

 李氏は元徴用工問題について、文氏が、元徴用工らが受け入れ可能で、韓国の国民に説明できる対策を模索していると説明。具体的内容への言及は避けたが、「外交当局の協議は続いており、速度を上げることができればいい」とした。

 また、「大統領はこの問題が、韓日が未来志向の関係に向かう妨げになってはならないと考えている」と指摘した。安倍首相宛ての親書を持参する場合、こうした趣旨の内容も盛り込まれそうだ。

 李氏は「対話を通じ、できるだけ早く両国が7月以前の状態に戻れることを望んでいる」と述べ、「最も重要なのは、関係を改善しようという両国指導者の確固たる意思だ。両国が最善を尽くし、知恵を集めることを願う」と話した。

 韓国で首相は内政で大統領を補佐する政権ナンバー2。李氏は文氏の信頼が厚い「知日派」で、首脳外交の一部を特例的に任されている。発言は大統領府と調整したとみられ、文政権の「対日メッセージ」の性格を持つ可能性が高い。(ソウル=神谷毅)