[ワシントン 1日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は1日、FRBが今年これまでに実施してきた3回の利下げは、その最大効果がまだ現れていないものの、米経済を「かなり支援」していると述べた。 

ニューヨークのジャパン・ソサエティーでの講演原稿で、利上げ予想から3回連続の利下げというFRBの政策変更が「経済に有意義な支援を提供しており、今後も提供し続ける」と指摘。米経済と金融政策は「良い状況にある」とした。 

また「経済成長率や雇用市場、インフレに対する政策調整の最大効果は時間とともに実現していく。緩やかな経済成長や堅調な雇用市場、2%目標近傍のインフレ率というわれわれの見通しと経済に関する今後の情報が広く一致し続ける限り、金融政策の現在のスタンスは引き続き適切である可能性が高い」と語った。 

FRBは今週開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りに25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定。7月と9月に続く今年3回目の利下げとなった。 

クラリダ副議長は海外の成長鈍化、特に米輸出の抑制につながる世界経済の弱さに伴う米経済のリスクは続いているが、現時点では引き続き米経済は成長する見込みだとした。 

利下げによってドルが減価し、米輸出の押し上げにつながるとの主張に対しては、世界の経済成長の状態を考慮すると、ドル安が必ずしも米輸出に貢献するとは限らないと言及。「過去1年間の米輸出の大幅な鈍化を説明する上で、ドルの価値はさほど重要ではないようだ」と述べた。