[ジュネーブ 1日 ロイター] – 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は1日、米国が反ダンピング(不当廉売)関税を撤廃しなかったことに対し、中国は35億7900万ドルの米製品に対し輸入関税を掛ける権利があるとする判断を下した。関税対象規模は中国の想定の約半分の水準となる。 

パネルは、米国の関税措置により中国の輸出業者は年間35億7900万ドルの損失を被ったと試算。パネルの判断を受け、中国はWTOの紛争解決機関(DSB)に報復関税を発動させる許可を申請する。 

中国は2018年9月、WTO規則違反と判断された米国の反ダンピング関税により年間70億4300万ドルの損害を受けていると訴え、WTO規則にのっとり米国に対する貿易障壁を同規模に引き上げることを承認するよう要請。米国がこれに反論したため、パネルで討議されていた。 

この日のパネルの判断について、米通商代表部(USTR)はコメントしていない。