日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が中東レバノンに逃亡した事件で、東京地検が逃亡協力者の逮捕状請求を視野に捜査していることが9日、関係者への取材で分かった。出国の手助けは出入国管理法違反などに該当すると判断し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じた国際手配も想定しているとみられる。

<関連ニュース 日産自動車前会長 ゴーン被告>

 これまでの捜査で、被告が無断出国した昨年12月29日、米国籍とみられる男2人が被告と行動を共にしていたことが判明。地検はこの2人を対象に、逮捕状請求に向けた捜査を急いでいるもようだ。

 防犯カメラの映像解析などによると、ゴーン被告は29日午後2時半ごろ、東京都港区内にある保釈中の住居を1人で出て、近くのホテルで男2人と合流。JR品川駅から東海道新幹線で新大阪駅に移動し、同8時ごろ、3人で関西空港近くのホテルに入った。

 同10時前に大きな二つの箱を運んでホテルを出る男2人の様子が映像に残されていたが、ゴーン被告の姿は確認されていない。

 出国記録から2人の男は米国籍とみられ、地検はゴーン被告を箱に隠してプライベートジェットに載せ、関空からトルコ・イスタンブール経由でレバノン入りさせたとみて捜査。他にも事前準備に協力した人物がいるとみて調べを進めている。