[ワシントン 22日 ロイター] – 米議会上院で21日に審議入りしたトランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判は22日、野党・民主党のアダム・シフ下院情報特別委員長が冒頭陳述を行い、トランプ氏が11月の大統領選挙で再選を有利にするために不正な方法でウクライナに圧力を掛けたと非難した。 

シフ氏は冒頭陳述で、トランプ氏が民主党のバイデン前副大統領の息子に絡む疑惑を調査するようウクライナのゼレンスキー大統領に圧力を掛けたと主張。トランプ氏はウクライナ大統領に対し調査を公表するよう圧力を掛け、自身の再選に有利になるようにしたと非難した。 

その上で「何をしても許されると信じている最高司令官ほど民主主義に対する脅威となるものはない」と述べた。 

民主党は最大3日かけて論拠を提示し、その後、共和党も3日かけて反論。審議は来週には終了する可能性がある。 

トランプ大統領は訪問先のスイスで記者団に対し、民主党は十分な証拠を持っていないと主張。「われわれのチームはうまくやっている。われわれはすべての情報を把握しているが、民主党は把握していない」と述べた。 

トランプ氏は世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席するためにスイスを訪問。トランプ氏不在の中、上院は22日未明、弾劾裁判の審理運営規則案を賛成多数で可決し、これによりこの日の冒頭陳述の開始が可能となった。