年明け以降、連日新型肺炎の動向がメディアの最大の関心事となっている。メディアだけではない。世界中の政治家や官僚、学者、市民までもがこの問題に振り回されている。マスクが品切れとなり、コンビニやスーパー、薬局などで争奪戦が始まっている。ネットオークションにはマスク1枚に50万円の値がついたとテレビの情報番組が伝えている。この情報はおそらくガセだろう。仮にネット上で値がついたとしてもヤラセだろう。そんな事実確認もないまま、様々な情報が飛び交っている。そうした情報が事態の混乱に拍車をかける。テレビや新聞、雑誌、SNSから口コミまで、メディアがパンデミックの恐怖を作り出しているような気がする。

埼玉県和光市で内閣官房の男性職員が血を流して倒れているのが見つかった。警察は自殺を図った可能性があるとみて調べているという。メディアが作り出した恐怖の犠牲者でなければいいがと思う。状況は悪い方に悪い方に向かっている。だから今朝ニュースをみながら明るい材料を探してみた。ホンダは武漢工場を延期された春節が終わる直後の14日に再開する。2日に金沢市内で開かれた日本臨床微生物学会で国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「(健康な人の場合)思ったよりずっと軽症だ」(時事ドットコム)と指摘。「マスコミで醸し出されている印象との強烈な乖離(かいり)を感じる」(同)と過熱する報道を疑問視した。

まだある。「タイ保健省は2日、新型コロナウイルスによる重症の肺炎患者にインフルエンザ治療薬と抗エイズウイルス(HIV)薬を組み合わせて投与したところ、症状が急速に改善したと発表した」(同)。「治療に当たった医師によると、10日にわたって症状が悪化し続けていた中国人女性(71)に投与した。熱が下がり、食欲が回復。48時間以内にコロナウイルスが消えた」という。これが治療につながるかどうかわからないが、何かの役にたつのではないか。明るい材料もあるのだが、ほとんどのメディアはこうした情報無視する。いずれはっきりするだろうが、パンデミックの恐怖は作り出されている気がする。