• ADP民間雇用者とISM非製造業が好調、米貿易赤字6年ぶり縮小
  • ゴールドマン日本で富裕層事業、米国債発行額、MiFID2修正も

新型コロナウイルスに効果があるとされるワクチンや治療薬の開発、既存薬適用の試みが世界各地で進んでいます。中国をはじめとする各国当局も経済的打撃を最小限に抑えようと政策を打ち出しており、投資家はやや落ち着きを取り戻しているようです。S&P500種は終値ベースの最高値を更新しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

米景気の好調示唆

ADPが発表した1月の米民間雇用者数は、29万1000人増。市場予想(15万7000人増)を大きく上回り、2015年5月以来の大幅な伸びとなった。暖冬も支えとなり、労働市場の堅調さが続いていることが示唆された。米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況指数は55.5と、5カ月ぶりの高水準に上昇。業況指数が約1年ぶりの高い水準となり、受注も改善した。

戦争の影響

2019年通年の米貿易赤字は6年ぶりに縮小した。中国からの輸入と石油輸入が大幅に落ち込んだことを反映しており、貿易赤字縮小を公約したトランプ大統領にとっては一定の成果を示す内容となった。赤字は前年比1.7%縮小し、6168億ドル。中国に対する財の貿易赤字は17.6%縮小した。米国は月間ベースで石油の純輸出国となっており、石油の輸出を増やす一方で輸入は減った。

日本の富裕層を相手に

ゴールドマン・サックス・グループは、日本で富裕層向け資産運用ビジネスに参入する計画だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。それによると、ゴールドマンはアセット・マネジメント部門を通じて、純資産額の高い個人顧客をターゲットにビジネスを展開していく。すでにプライベートバンカーの採用を開始しており、今後5-10年で1兆円の運用資産を目指す。

過去最高規模を維持

米財務省は、来週の四半期定例入札で発行する国債の規模を過去最高の840億ドル(約9兆2200億円)で据え置いた。これは過去4四半期と同水準。入札により約135億ドルを新規に調達する。今年上期に見込まれる20年債の発行時期と規模については、5月に明らかにする見通しだ。このほか、担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動する債券に関する情報の提供要請を行う考えも示唆した。

巻き返し

欧州連合(EU)当局者は、金融危機後に成立させた第2次金融商品市場指令(MiFID2)の一部修正を検討している。一つはデリバティブ市場の競争を促進する目的で、取引と決済を異なる市場で行うことを認める「オープンアクセス」。もう一つは、投資リサーチ代金とトレーディングサービス手数料を切り離すよう義務付けた規則。いずれも英国に譲歩した部分で、英国のEU離脱を受けて取り返そうと攻勢に出る。

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