[ロンドン 11日 ロイター] – ジョンソン英首相は11日、ロンドンとイングランド北部を結ぶ高速鉄道「HS2」の建設計画を認めると表明した。 

HS2を巡っては予算オーバーを批判する声が出ているが、首相はインフラへの大型投資を進める意向を強調した。 

HS2が完成すれば、移動時間の短縮や輸送能力の拡大につながり、長距離高速鉄道が充実しているフランスやスペインなどに追いつくことが可能になる。 

首相は議会で「内閣は高速鉄道に青信号を出した」と表明。「完成させる。さらなる予算オーバーやスケジュールの延期を防ぎながら実行に移す。計画に規律を取り戻すため、思い切った行動に出る」と述べた。 

HS2は予想される総工費が1060億ポンド(1370億ドル)と、5年前の予測の2倍近くに達すると報告されており、計画続行の是非を巡る調査が昨年行われていた。 

野党・労働党のコービン党首は、政府が大型プロジェクトを適切に管理できないことが露呈したと批判。「首相が総選挙で多くのことを公約した地域の人々は、実際に起きることを見て非常に失望することになるだろう」と述べた。 

ジョンソン首相は、建設計画を監督する閣僚を指名し、コストを削減する方針を示した。 

HS2は2012年に政府が初めて承認。第1期工事ではロンドンとイングランド中部バーミンガムを結ぶ路線を、第2期工事では西のマンチェスターに向かう路線と東のリーズに向かう路線を建設する予定。 

すでに建設大手の英バルフォア・ビーティ(BALF.L)、スウェーデンのスカンスカ・コンストラクション、フランスのVINCIコンストラクションなどが、トンネル工事や駅の建設工事を受注している。