11月の米大統領選の候補者絞り込みに向けて野党民主党が19日にネバダ州で討論会を開いた。写真は討論会の様子。ネバダ州ラスベガスで撮影(2020年 ロイター/Mike Blake)

11月の米大統領選の候補者絞り込みに向けて野党民主党が19日にネバダ州で討論会を開いた。各候補者は初めて参加したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長に対し、トランプ米大統領のような富豪だと指摘したほか、性差別的な過去の発言などに非難を浴びせた。

エリザベス・ウォーレン上院議員は「われわれは女性を『デブ女(fat broads)』や『馬面をしたレズビアン(horse-face lesbians)』と呼ぶ富豪と戦っている」と発言。「いいえ、私はドナルド・トランプ(大統領)のことを言っているのではない。ブルームバーグ市長のことだ」と語った。その上で「われわれが傲慢な富豪を別の富豪の代わりにするだけなら民主党には大きなリスクになる」と付け加えた。

バーニー・サンダース上院議員、エイミー・クロブシャー上院議員、ジョー・バイデン前副大統領、ピート・ブティジェッジ元インディアナ州サウスベンド市長も、お金を使ってホワイトハウス入りしようとしているなどとブルームバーグ氏を非難した。

昨年11月に出馬表明し、3月から本格参戦するブルームバーグ氏は、自身のお金は相続したものではなく、実業家として稼いだものだと指摘。「私は史上最悪の大統領であるドナルド・トランプを追い払うためにそのお金を使っており、それを成し遂げることができれば、アメリカや私の子供たちに偉大な貢献となるだろう」と述べた。

ネバダ州では22日に党員集会が開かれる。

世論調査で支持率首位となったサンダース氏は、ブルームバーグ氏が市長時代に警察の「ストップ・アンド・フリスク(路上で不審者を呼び止めて行う所持品検査)」政策を支持したことを非難。「乱暴な方法でアフリカ系米国人やラテン系の人々を追った」と語った。

また、バイデン氏はブルームバーグ氏について、市長としての3期の任期中、ニューヨーク市政をあまりうまく運営できなかったと指摘。ストップ・アンド・フリスクについても非難した。

ブルームバーグ氏はストップ・アンド・フリスクを支持したことについて「心を痛め」、「恥ずかしい」とし、支持したことについては既に謝罪していると述べた。

18日に公表されたロイター/イプソスの全国世論調査によると、ブルームバーグ氏はサンダース氏に次いで支持率2位となっている。