米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は、インフレを目標の2%に到達させ、将来のリセッション(景気後退)を阻止する新たな戦略を金融当局は採用するべきだと訴えた。  

  ブレイナード理事は21日にニューヨークで講演。事前に配布された原稿によると、米金融当局は過去のインフレ目標未達分を補うため、目標を上回る物価上昇を追求すべきだとしたほか、不況下で短期金利を下限まで引き下げることを余儀なくされた際、米国債利回りを抑制すべきだと述べた。

  「目下の低インフレ・低金利環境においては、不況が訪れるかなり前の段階で、新たなリセッション対抗手段だけでなく、インフレ率が目標を下回り続けていることやインフレ期待へのリスクに対処する新たな戦略が必要になる」と発言。過去にインフレ目標に届かなかった分を補うため、金融「政策は長期にわたって緩和的な状態を維持する必要があるかもしれない」と語った。

Key Speakers At The Monetary Policy Strategy, Tools, And Communication Practices Conference
ブレイナード理事写真家:テイラー・グラスコック/ブルームバーグ

  ブレイナード氏はシカゴ大学ブース経営大学院が主催した金融政策に関する会議で発言。「金融政策からの力強い対応に加え、財政政策を用いた強固な景気対策が不可欠だ」と説明した。

原題:Fed’s Brainard Calls for New Strategy to Boost Inflation (1)(抜粋)