きのう開かれた政府の専門家会議、記者会見で次のような見解が表明された。「インフルエンザのように暖かくなると消えるウイルスではない。(対策は)数カ月から半年、年を越えて続けていかなければいけない」と。感染抑制に成功しても「しばらくはいつ再流行してもおかしくない状況が続く」とも。1−2週間どころではない。ひょっとすると越年するかもしれない。専門家の見解である。この記事をみて、「長期戦に向けた環境づくりがはじまった」とすぐに思った。事態は想像以上に深刻のようだ。五輪も中止か。日本経済にとどまらず世界経済が崩壊の危機に直面している。

日本だけではない。世界中で深刻な先行きに対する覚悟を求めはじめている。ロイターによると米グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO)は9日、米国債をはじめ世界の高格付け社債が「最大1兆ドル相当の規模でジャンク(投機的等級)債になる可能性がある」と警告した。要するに金融秩序の崩壊である。同CIOは新コロナウイルスの見通しを聞かれて、次のように答えている。「終わりではない。終わりの始まりでもない。始まりの終わりかもしれない」と。これは第二次世界大戦の見通しを聞かれて英首相のチャーチルが答えた言葉。要するに終わりは見通せないと言うことだ。

クレディ・スイス証券副会長の白川浩道氏は昨年来、太陽活動が停滞し黒点が減少しているとことに警告を発していた。こちらもロイターの記事。それによると、太陽の黒点が少なくなる極少期に金融市場では大波乱が起きている。極小期は約11年(実際には9─13年と幅がある)周期で訪れるが、前回は2008年のリーマン・ショック、前々回は1996年でアジア通貨危機、その前は1986年のブラックマンデー。黒点の極少期と金融波乱はほぼ重なっている。今回のコロナ騒動もこの説に当てはまる。世界中で猛威を振るい始めた新型コロナウイルス。収束の見通しが立たないと、色々な人がいろいろなことを言いはじめる。これもその具体的な事例と見るべきだろう。