【ワシントン時事】米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策が「国内総生産(GDP)の10%程度になる」と述べ、当初案の2倍の2兆ドル(約222兆円)という異例の規模に膨らむことを明らかにした。トランプ政権と議会与野党は調整を急ぎ、23日に上下両院での可決を目指す。

広がるコロナ感染、高まる不安 米主要州が外出規制―トランプ氏、全国拡大に慎重

 支援策は、大人1人当たり最大1200ドルの現金給付や、旅客の急減に見舞われた航空業界への公的支援などが柱となる。

 政権は総額1兆ドル規模の案を議会に提示していたが、米国内各地で外出禁止措置が広がり、経済的な影響が深刻化。政府支援の総額は1兆4000億ドル程度まで増える見通しだ。

 さらに、政治専門紙ヒルによればクドロー氏は、中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)も金融政策を通じた7000億ドル程度の景気下支えができると指摘。ホワイトハウス高官は「すべてを加味した対策効果」が2兆ドル規模に上ると説明した。