[ニューヨーク 24日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが朝方の下落の大部分を回復した。新型コロナウイルス対策法案の可決に向けた期待が高まっているほか、トランプ米大統領が新型ウイルス感染拡大阻止に向け制限されている米経済活動を4月12日のイースター(復活祭)までに再開させたいと述べたことなどがドルの支援要因となった。 

米議会で討議されている規模約2兆ドルの新型ウイルス対策法案について、民主、共和両党はこの日、合意に近づいていると表明。ただ市場では新型ウイルス感染拡大の最悪期が過ぎるまで、経済と市場の安定化は望めないとの見方が出ている。 

キャピタル・エコノミクスのアシスタント・エコノミスト、オリバー・アレン氏は「対ドルで下落した通貨は最終的には下落分の大半を取り戻すと考えているが、新型ウイルスの感染拡大の最悪期が過ぎるまでは回復は望めない」と述べた。 

主要6通貨に対するドル指数=USDは0.17%安の101.95。一時は101.04まで低下していた。 

トランプ大統領はFOXニュースに対し「インフルエンザによって数千人が毎年亡くなっているが、国の活動をストップさせていない」とし、「経済活動を停止することで国を破壊する恐れがある」と懸念を表明。「イースターまでに米国の活動を再開させたい」と語った。ただ医療関係者は、経済的なコストにかかわらず、新型ウイルスの感染拡大抑制を最優先させる必要があるとの見解を示している。 

連邦準備理事会(FRB)は前日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、新型コロナウイルスへの対応として、無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決定した。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取る。 

ロンバード・オディエの外為戦略部門責任者、バシレイオス・グキオナキス氏は「FRBが決定した措置は前例がなく、新型ウイルスによる外部からの衝撃が資金調達危機に発展するのを防ぐ意味で先手を打った」と述べた。 

ユーロは対ドルEUR=で0.47%高の1.0771ドル。 英ポンドは対ドルGBP=で1.67%高の1.1741ドル。前週は1.1413ドルと、35年ぶりの安値を付けていた。 豪ドルは対米ドルAUD=で1.75%高の0.5929米ドル。前週は17年ぶり安値の0.5510米ドルまで下げた。 

ドル/円 
 NY終値 111.21/111.24 
   始値 110.47 
   高値 111.71 
   安値 110.42 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.0787/1.0791 
   始値 1.0880 
   高値 1.0887 
   安値 1.0747