• バンクダナモンで約2130億円、アユタヤ銀で約1300億円の減損
  • 2020年3月期業績への影響は金利や株価動向など踏まえて精査中

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)はインドネシア子会社のバンクダナモンやタイの子会社アユタヤ銀行などの株価下落により、2020年3月期に計約3600億円の損失を計上する。関係者が匿名を条件に明らかにした。

Views of Japanese Mega Banks Ahead Of Full-Year Results
三菱UFJ銀行の看板(19年5月、都内)Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  このうち3400億円分について、MUFGは31日、戦略出資するバンクダナモンとアユタヤ銀の同日時点の株価が取得原価と比べて50%以上下落したことからのれん代の一括償却によって特別損失を計上すると正式に発表した。

  19年4月に出資したバンクダナモンについては2128億円、アユタヤ銀行で1305億円を見込む。関係者によると、このほかフィリピンのセキュリティバンク株式でも約200億円の損失を計上する。

  バンクダナモンについては昨年12月、取得原価からの減少分の2074億円を特損計上していたが、株価が回復しなかったことから2128億円を損失として見込む。 

  20年3月期の連結業績への影響については、特損に加えて、足元の金利や株価、原油価格の急激な変動による影響も含めて精査中という。

  バンクダナモン、アユタヤ銀についてMUFGは、東南アジアで強固な事業基盤と高い収益性を持っており、今回の損失計上後もシナジーを追求する事業戦略に変更はないとしている。