[北京 7日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)が発表した3月末の外貨準備は3兆0610億ドルで、前月末から460億8500万ドル減少した。新型コロナウイルスがパンデミック(世界的な大流行)となる中、元安が進行し世界的に資産価格が急落したことを受け、予想以上に減少となり17カ月ぶりの低水準となった。 

ロイターがまとめたエコノミスト予想は67億1800万ドル減の3兆1000億ドル。 

中国国家外為管理局(SAFE)は声明で、外債などの保有資産の下落や、為替相場の変動が外貨準備の減少につながったと説明した。 

景気減速や米国との貿易戦争に加えて新型コロナの流行、それに伴う厳しい制限措置がとられたが、厳格な資本規制のおかげで資本流出は抑制されてきた。しかし、3月は世界の金融市場が大荒れとなり、国際金融協会(IIF)のデータでは、中国株からは123億ドルの資金が流出したとされる。

人民元CNY=CFXSは3月に対ドルで1.27%下落した。 

キャピタル・エコノミクスは、外貨準備発表前に出したリポートで、人民銀行が2月、3月に国有銀行に外為市場での介入を指示するなどして人民元を支援し、ボラティリティの抑制を図った兆候があり、そうした間接的な介入で外貨準備が3月に250億─300億ドル減った可能性があると指摘した。人民銀行は、前回2015年の不況時に外貨準備を1兆ドル取り崩して元を支援している。 

3月末の金準備は前月から変わらずの6264万トロイオンス。価値(金額)は1007億9000万ドル。2月末の価値は1008億5000万ドルだった。