• 早計な活動再開、「しっぺ返し」にあうだろう-ABCテレビで発言
  • 一部州で行動制限に抗議するデモ発生、ファウチ氏解任要求も

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、新型コロナウイルスの感染を「制御可能な状態」にしない限り、米経済は回復しないと言明。各地で散見される外出制限への抗議デモに再考を促した。

  感染症の第一人者としてホワイトハウスの政策に携わるファウチ氏は、デモ隊に対するメッセージとして、「経済学の見地に立てば、痛みを伴うものだが」、早過ぎる活動再開はかえって痛みを大きくするとABCの番組で述べた。デモをあおるツイートを連発したトランプ大統領の姿勢と対照的な発言となった。

  同氏は「ウイルスを制御可能な状況にしない限り、本当の意味での経済的回復は実現しない」と発言。「早計な行動で感染が急増する事態を招けば、状況は後退する」と説明した。

  段階的な活動再開に向けて連邦政府がまとめたガイドラインについて、ファウチ氏は厳密に守るのは「痛みを伴い得る」と認めた上で、そうしなければ「しっぺ返しにあうだろう」と述べた。

  ミシガンやミネソタ、テキサス各州では、厳しい行動制限が経済を著しく損なっているとして、知事に解除を求めるデモが起きた。こうした抗議の中にはファウチ氏の解任を要求する声もある。

原題:Fauci Tells Protesters No Recovery If Virus Not ‘Under Control’(抜粋)