• ギリアド治験薬、失業保険統計、ECBはジャンク債購入せず
  • 日銀が無制限国債購入の報道、アップルの自社設計プロセッサー

ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス治験薬が臨床試験で有効性を示さなかったと伝わり、最近の高値圏で推移していたS&P500種株価指数は一気にマイナス圏まで下げました。裏を返せば、定まらない経済再開見通しよりも、一発逆転の治験薬に対して市場がいかに期待しているのかの表れとも言えそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

治験薬の成否

新型コロナ感染症の重症患者を対象に中国で行われた臨床試験で、ギリアドの抗ウイルス治験薬レムデシビルが有効性を示さなかったと伝わった。一方、同社と同試験に関与した科学者はこうした解析に異議を唱えた。英紙などの報道によると、患者が回復するまでの時間や死亡率で有意差を示さなかった。世界保健機関(WHO)は試験結果の概要をいったん掲載した後、直ちに削除した。

失業率は20%にも

米国の先週の新規失業保険申請件数は443万件となり、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響を受けたこの5週間の合計は2650万件に達した。4月の米雇用統計は、この日発表された失業保険申請件数と同じく、18日終了週のデータが用いられる。申請者を全て失業者と見なした場合、4月の失業率は20%前後となる可能性がある。

ジャンク債は購入せず

欧州中央銀行(ECB)は今のところ、量的緩和(QE)の購入対象にジャンク債を含めない。22日に市中銀行に対する資金提供の担保として一部のジャンク債を受け入れることを決定したが、この決定は資金供給オペに限ったものだと、報道官が説明した。

無制限の国債購入

日本銀行は新型コロナの感染拡大による経済の急速な悪化を受け、27日の金融政策決定会合で追加の金融緩和策を打ち出す最終調整をしていると、日本経済新聞が電子版で報じた。具体的には現在年80兆円としている国債の購入額のめどを撤廃し、必要な量を制限なく買えるようにするほか、コマーシャルペーパー(CP)や社債の購入限度額を倍増する方向で議論する。

21年発売目指す

アップルは自社設計のメインプロセッサーを搭載した「Mac(マック)」コンピューターの販売を来年開始する計画だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。「iPhone(アイフォーン)」やタブレット「iPad(アイパッド)」の成功につながったチップ設計を生かすという。アイフォーンの次期モデルに採用されたSoC(システム・オン・チップ)「A14」を基に、3タイプのマック用プロセッサ-を独自に開発中だ。

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