• 習主席と話したくないトランプ氏、米失業保険申請は先週も7桁
  • FOMCも予測不能、相場主導の減産が奏功、連続マイナス成長予想
トランプ大統領
トランプ大統領 Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

1995年にルービン財務長官が「米国の国益にかなう」と述べて以降定着した「強いドル政策」。歴代政権の政策を片っ端からひっくり返す勢いだったトランプ大統領はこれまで、その逆を行くドル高批判を展開してきました。しかしこの日は、ドルを買うにはうってつけのタイミングだと発言。ドイツ銀行のアラン・ラスキン氏は新型コロナウイルスの影響で為替相場と貿易の関係が変化し、これまでの常識が通用しなくなった現状を物語っていると分析しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

揺さぶり

トランプ米大統領は中国の習近平国家主席とは「今、話をしたくない」と、FOXビジネスとのインタビューで語った。中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか」思案しているとし、「5000億ドル(約53兆5000億円)を節約できるだろう」と述べた。ニューヨーク証券取引所およびナスダックに上場しながら米国の会計規則に従っていない中国企業を「非常に厳しく注視している」とも話した。

8週間で3650万件

先週の米新規失業保険申請件数は298万件と、前週に比べて減少したものの、8週連続で7桁台。市場予想ほどの減少幅とはならなかった。3月中旬に企業活動が事実上停止されて以降の申請件数は計3650万件。1年半続いた前回リセッション(景気後退)期の全件数に近づいた。ただ、今週の統計には異常値があり、すでにコネティカット州が申請件数を一桁小さい2万9846件に訂正した。

見通し不良

米セントルイス連銀のブラード総裁は、連邦公開市場委員会(FOMC)が6月の定例会合で四半期経済見通しを示さない可能性があると、MNIとのインタビューで述べた。経済の先行きに十分な透明性が得られないかもしれないことが理由だという。ブラード総裁は「封鎖政策が長期化し過ぎた場合、金融危機に発展しかねない」と警告。あるいはもっと悪い「恐慌シナリオ」の可能性もあると語った。

供給サイドの威力

国際エネルギー機関(IEA)は、世界の原油市場見通しが「いくらか改善した」との認識を示した。需要が予想よりも若干強まった一方で、供給は厳しい価格下落によって抑制された。IEAの月報によれば、5月の世界産油量は前月比で約12%減に相当する日量1200万バレル減り、9年ぶりの水準に低下するという「歴史的な減産」となる見通し。

連続マイナス成長

1-3月期の日本経済は2四半期連続でマイナス成長が見込まれている。4月の緊急事態宣言発令後の経済活動の一段の停滞により、4-6月期の成長率はさらに悪化する見通しだ。内閣府が18日発表する1ー3月期の実質国内総生産(GDP)について、ブルームバーグのエコノミスト調査では、全員がマイナス成長を予想した。中央値は前期比1.1%減、年率4.5%減。

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