• 中国が一部の米農産物輸入を停止、トランプ氏が知事に強硬姿勢促す
  • レムデシビル効果限定的か、米ISM製造業が改善、インド格下げ

週明けの米株式相場は上昇。全米に広がる抗議デモや、新型コロナ治療薬候補の臨床試験結果がやや期待に沿わなかったことなど、弱気に傾きそうな材料はありました。これに対し、市場からは「景気持ち直しの道を進んでいること」が短期的な圧力を跳ね返すのではとのが聞かれました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

米国の出方見極め

中国政府当局者は農業分野の主要国有企業に対し、大豆など米国産農産物の一部の購入を停止するよう伝えた。事情に詳しい関係者が明らかにしたもので、香港を巡る緊張激化を見極めようとしているという。中糧集団(COFCO)と中国儲備糧管理(シノグレイン)が購入停止の要請を受けたと、関係者の1人が述べた。中国の買い手は米国産豚肉の購入も取り消したという。

「威圧せよ」

トランプ大統領は全米に拡大したデモを厳しく取り締まるよう、州当局に促した。ミネソタ州で黒人男性が白人警官に拘束された際に死亡したことをきっかけに、全米各地で抗議デモが起きている。トランプ氏は州知事らとのビデオ会議で「威圧しなければ時間の無駄だ。デモ参加者に鼻であしらわれ、間抜け集団に見えてしまう」と発言。「あなた方の大半は弱腰だ」と述べた。

10日間だとなぜ?

米ギリアド・サイエンシズが、新型コロナウイルス感染症の中等症患者を対象に実施した抗ウイルス薬レムデシビルの大規模な臨床試験で、効果が限定的なものにとどまったことが分かった。病状が中程度の患者グループを対象にした第3相試験で、レムデシビルを5日間投与された入院患者は、標準的な治療を受けた患者と比較し、わずかな改善が見られた。だが、10日間投与された別のグループでは統計的な有意性が示されなかった。より長期間の投与でなぜ効果が高まらないのかという疑問を引き起こしそうだ。

低空飛行も

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業総合景況指数は43.1と、4カ月ぶりに上昇。パンデミックで活動に急ブレーキがかかっていた製造業が、低位安定しつつある兆しを見せた。市場予想は43.8、前月は11年ぶり低水準の41.5だった。ISM製造業調査委員会は「急落局面の終わりが視野に入ったか、終わりに達したと考える。6月への前向きな兆候だ」との判断を示した。

アジアの大国を格下げ

ムーディーズ・インベスターズ・サービスはインドの信用格付けを、投資適格級で最も低い「Baa3」に引き下げた。長引く景気低迷と深刻化する財政状況に、同国が政策面で対処する上での困難を理由に挙げた。発表資料によると、外貨建て長期信用格付けを「Baa2」から「Baa3」に引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」に据え置いた。S&Pグローバル・レーティングとフィッチ・レーティングスは既に、インドの格付けを「BBBマイナス」としている。ムーディーズの格付けは、今回の引き下げでそれらと並んだ。

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