【サンパウロ時事】ブラジルのボルソナロ大統領は5日、世界保健機関(WHO)が政治的に偏っているとして脱退を検討する意向を示した。新型コロナウイルスへの対応をめぐり、WHOが中国寄りだとして脱退を表明した「盟友」のトランプ米大統領に同調した。

米との協力、継続望む 脱退、具体的対応触れず―WHOトップ

 ボルソナロ氏は大統領公邸前で記者団に対し「米国は脱退(を表明)した。われわれも将来的に検討する。WHOがイデオロギーを排して活動しない限り、われわれも抜ける」と強調した上で、「国内の保健衛生について、部外者のおせっかいはいらない」と述べた。両大統領は1日に電話会談。米ホワイトハウスによると、「保健衛生問題での協力」を確認した。

 ブラジルは新型コロナの累計感染者が米国に次いで世界で2番目、死者は米英両国に次いで3番目に多い。各州や市がWHOの指導を参考に経済規制などの拡大防止策を取っているが、雇用重視のボルソナロ氏はこれを一貫して批判。これまでにWHO寄りの保健相を更迭している。