[ニューヨーク 8日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが下落し、資源国通貨が上昇した。新型コロナウイルス流行で打撃を受けた景気の回復を巡り楽観的な見方が広がる中、リスク選好の動きが強まった。 

終盤の取引で、ドル指数=USDは0.1%低下の96.641。 ドルは安全資産とされる円に対して1.1%下落し、108.33円JPY=EBS。対スイスフランCHF=EBSでも0.6%安の0.9566フラン。 

エクスチェンジ・バンク・オブ・カナダの為替戦略主任、エリック・ブレガー氏は「5月最終週以降、米中問題を中心に悲観的な見方が後退する動きになっている」と指摘した。 

オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドルなどの資源国通貨は軒並み上昇した。 

NZドル/米ドルは0.8%高の0.6560米ドル。一時4カ月ぶり高値を付ける場面もあった。ニュージーランドのアーダーン首相が新型コロナ感染防止のため導入した措置について、入国規制以外全てを解除すると発表したことが材料視された。 

豪ドル/米ドルAUD=D3は0.7%高の0.7017米ドル、カナダドルも対米ドルで0.4%高の1.3366カナダドル。 ユーロ/ドルEUR=EBSは0.2%高の1.1303ドル。 

4月のドイツ鉱工業生産指数が前月比17.9%低下と、統計開始以来最大の低下となったものの、さほど材料視されなかった。 

しかし、英の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)など、新型コロナ流行前の未解決の問題が再び注目されるようになれば、ユーロの上昇は失速する可能性があるとの指摘も聞かれた。 

市場では、9─10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の行方が注目される。 

ドル/円 
 NY終値 108.42/108.44 
   始値 109.37 
   高値 109.46 
   安値 108.25 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1292/1.1296 
   始値 1.1269 
   高値 1.1318 
   安値 1.1269