- 香港IPOでは約100億ドルを調達する可能性-関係者
- CICC、シティ、JPモルガンなどIPOに向け起用
中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング関連会社の螞蟻金融服務集団(アント・ファイナンシャル)が、待望されていた新規株式公開(IPO)に踏み切る。香港と上海の「科創板(STAR)」市場に同時上場する計画だと、同社が発表した。
アントは中国最大のモバイル決済サービス「アリペイ(支付宝)」の親会社。直近の資金調達ラウンドで同社の企業価値は1500億ドル(約16兆円)と評価され、数年ぶりの大型上場となる可能性がある。IPOでは少なくとも2000億ドルの評価額を目指していると、非公表の内容だとして匿名を要請した関係者は語った。
関係者によると、アントは香港でのIPOに向けて中国国際金融(CICC)とシティグループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーを起用。香港での調達額は100億ドル前後に上る可能性があるという。アドバイザーが今後追加される可能性があるほか、詳細が変更される可能性もあると関係者は述べた。
アントは融資や旅行サービス、食品宅配などを提供するオンラインモールへの進化を加速させ、テンセント・ホールディングス(騰訊)と激しい競争を展開。胡暁明(サイモン・フー)最高経営責任者(CEO)は、アリペイを単なるニッチの金融サービス提供会社やアリババの決済サービス会社以上の存在として認知してもらいたい考えだ。
アリババの当局提出文書を基に試算したところ、アントは昨年10-12月(第4四半期)に20億ドルの利益を上げた。いわゆるテクノロジーサービス手数料を通じた国内の取引企業や金融会社からの収入を向こう5年間で全体の80%以上とし、昨年末の50%程度から引き上げることを目標としている。
原題:Jack Ma’s Ant Plans Simultaneous IPOs in Hong Kong, Shanghai (1)(抜粋)、Jack Ma’s Ant Seeks $200 Billion Value in Landmark Dual IPO (1)