香港 抗議活動

香港で国家安全維持法に違反した疑いなどで逮捕された民主活動家の周庭氏や中国に批判的な論調で知られる新聞の創業者らが日本時間の12日未明、保釈されました。周氏は「政治的な弾圧だ」などと述べて警察の対応を強く批判しています。

香港の警察は10日、香港国家安全維持法に違反した疑いなどで、民主活動家の周庭氏や中国に批判的な論調で知られる「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏ら10人を逮捕しました。

周氏は日本時間の12日未明、保釈が認められて警察署から姿を現しました。

周氏は記者団に対し、「これまで逮捕された中で一番怖かった。どういう形で法律に違反したのかわからない部分がたくさんある」と述べました。そのうえで、「政治的な弾圧であり、法律は本来、市民の権利を守るものだが、この法律は侵害するものになっていて、とても残念だ」などと述べ、警察の対応を強く批判しました。

また香港メディアによりますと、黎智英氏らも11日夜から12日未明にかけて保釈されました。

周氏や黎氏はこれまでのところ起訴されていませんが、今後、警察が捜査を進め、起訴するかどうか判断するとみられます。

今回の逮捕をめぐっては、アメリカの政府高官が中国政府を強く非難しているほか、欧米各国や日本の多くの人たちがSNS上で抗議の声を上げています。

ただ、中国政府は「国家の安全に危害を与える者は厳しく罰しなければならず、手を緩めてはならない」などとしていて、中国や香港の政府は、今後も民主活動家らへの締めつけを強めるものとみられます。

周庭氏 「今回が最も恐ろしいものだった」

周庭氏 「今回が最も恐ろしいものだった」

周庭氏は、12日未明、自身のフェイスブックを更新して保釈されたことを報告しました。

この中で周氏は、「周庭です。帰ってきました。みなさんを心配させてしまいすみません。これまでに4回逮捕されましたが、今回が最も恐ろしいものでした。しかし、警察署でも弁護士を通して香港や海外のみなさんからの心配や愛情について聞くことができました。ありがとうございました」として感謝のことばを述べています。

そのうえで「警察署から保釈されて出たばかりで疲れていて、まだ詳しい状況や心境をお話しできませんが、改めて説明させてください。道のりは苦しいものですがみなさん気をつけましょう」と述べています。

香港出身の活動家2人を指名手配 香港の複数メディア伝える

香港の複数のメディアは、「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏らが香港国家安全維持法に違反した疑いなどで逮捕されたことに関連して、香港の警察が、アメリカなどに住む香港出身の活動家2人を指名手配したと伝えました。

このうちの1人は、アメリカ在住の活動家朱牧民氏で、30年前に渡米したあと、1996年にアメリカの市民権を取得し、アメリカ政府や議会に香港の民主化への支援を訴える活動を続けています。

香港メディアは、朱氏が先月末、イギリスなどに住む香港出身の活動家5人とともに、香港国家安全維持法に違反した疑いで、香港の警察に指名手配されたと伝えていましたが、今回、黎氏の逮捕に関連して再び指名手配されたとしています。

また、もう1人は、ことし初めにイギリスに渡った26歳の男性の活動家だと伝えています。